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見-29 橋の表情

 新十綱橋には、地元の人にしかわからないようなモニュメントがある。櫓の上に屋根付き樽が乗っているもので、観光客などにはおよそ見当つかないだろう。これでいいのだろうか?

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 モデルは飯坂温泉発祥の地に立つ分湯槽だ。最古の湯とされる「鯖湖湯」の隣に立つ分湯槽は、源泉から送られる「湯」を一時貯蔵し周辺の旅館に送るもので、町内には数か所ある。この分湯槽は最古の湯の景観と合わせたもので現物は見上げるほどのレトロタワーだ。
 
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 飯坂温泉にはもう一つモニュメントが印象的な(?)橋がある。「赤川橋」である。下の写真を見て欲しい。これは何だろう。地元の人でもわからないのではないだろうか。台座部分にある円形は鎌倉時代にこの地を治めた「佐藤一族」の家紋であるので、おそらくはその居城「鵬城(おおとりじょう)」をイメージしたものかもしれない。

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 完成したころは誰もが承知していたのかもしれない。時が過ぎるとこだわった人たちの想いが忘れ去られるのが残念だ。先の新十綱橋といい赤川橋といい、個性的な意匠にはその設置に至った背景や物語が必ず存在する。そしてその物語はその場所の個性・魅力なのだから、表示して紹介するべきだと思う。
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